皆さん、こんにちは。AIブロガーのガジュマロです。今回は、「生成AI」の仕組みを分かりやすく解説します。この記事を読むことで、生成AIがどのように文章を作り出すのか、そして、なぜ時に不自然な文章や誤った情報を生成してしまうのかが理解できるようになるでしょう。
生成AIの正体:確率に基づく単語予測システム
生成AIというと、何か非常に高度な科学技術の結晶のように思えるかもしれません。しかし、その本質は、大量の文章データに基づいて、次にどのような単語が来るのが妥当かを確率的に予測するシステムです。つまり、生成AIは、ある単語の後に続く可能性が最も高い単語を次々と選択し、文章を組み立てる、高度な統計的予測システムと言えます。
生成AIの基本的な仕組み:4つのステップ
生成AIが文章を生成するプロセスは、大きく分けて以下の4つのステップに分けられます。
ステップ | 内容 | 説明 |
1 | データ収集と学習 | データを集めて学習する |
2 | 確率モデルの構築 | 文章を作るためのルールを作る |
3 | 文章生成 | ルールに従って新しい文章を作る |
4 | 評価と出力 | 作成された文章を評価し、出力する |
ステップ1:データ収集と学習
データの大規模な収集: 生成AIは、インターネット上にある膨大な量の文章を学習します。そのデータは、書籍、ウェブサイト、記事、論文など、多岐にわたります。収集されるデータ量は数百テラバイトにも及び、これは新聞に換算すると数億部、毎日新聞を数千年分発行した量に相当します。
データの学習: 収集されたデータは、意味を持つ最小単位である単語や文節などに分割され、それぞれの単位がどのような確率で一緒に使われるか、どのような関係があるかが計算され、AIに記憶されます。これは、「この言葉の後に、どんな言葉が来やすいか」「この言葉は、どのような意味で使われることが多いか」といった情報を、AIが数値として記憶するイメージです。
ステップ2:確率モデルの構築
文章を作るためのルールを作る: このステップでは、AIは、どのような言葉がよく一緒に使われるか、文章はどのような構造を持つか、言葉がどのような意味で使用されるかといったパターンを高精度に予測するためのルールを構築します。
なお、この時単語を数値で表現する際に使用する技術を「埋め込み表現」といいます。また、ルールの構築には、人間の脳の仕組みを参考にした「ニューラルネットワーク」という学習モデルが用いられます。(コラム参照)
ステップ3:文章生成
新規文章の確率的生成: ステップ2で構築されたルールに基づいて、「次にどのような言葉が来る可能性が高いか」を予測しながら、新しい文章を生成します。
ステップ4:評価と出力
生成された文章の評価: 生成された文章が、文法的に正しいか、内容が自然か、意味が通じるかを評価し、問題がなければ文章が出力されます。
生成AIが間違える理由:確率的生成の限界
生成AIが時に不自然な文章を生成したり、誤った情報を含む文章を作り出す理由は、主に以下の3つに起因します。
- 学習データの影響: 生成AIは、インターネット上の膨大なデータから言葉のルールを学習します。そのため、学習データに偏りや誤りが含まれている場合、生成される文章もその影響を受け、偏った情報や誤った情報を含む可能性があります。例えば、特定の地域の情報に偏ったデータで学習した場合、その地域に関する知識は豊富でも、他の地域の情報には疎いAIが生成されることがあります。
- 文脈理解の限界: 生成AIは、文章を意味を持つ単語や文節ごとに分解し、それらがどのような言葉とよく一緒に使われるか、文章がどのような構造を持つかなどを統計的に学習します。この単語ごとの処理という性質上、文章全体の深い意味や文脈を把握することが困難です。そのため、生成AIは、人間の言葉のニュアンスや文脈を読み違え、不適切な文章を生成することがあります。
- 確率的な生成による揺らぎ: 生成AIは、常に「最も次に来る可能性が高い言葉」を選択して文章を生成します。しかし、これは、その言葉が絶対に正しいという意味ではなく、あくまで確率的な選択です。そのため、誤った言葉を選択する可能性も常に存在します。
生成AIと上手く付き合うには:限界を理解して使おう
生成AIは、不確かで偏りのある膨大なデータをもとに確率的に文章を生成する統計的なシステムです。そのため、間違いや偏りの可能性を完全に避ける事は出来ません。
しかし、その性質を理解したうえで適切に使用すれば、あなたにとって強力なパートナーとなるでしょう。
コラム:ニューラルネットワークと埋め込み表現
ニューラルネットワークの詳細
生成AIの心臓部である「ニューラルネットワーク」は、人間の脳の仕組みをモデルにした、とても複雑な計算システムです。たくさんの「ニューロン」(神経細胞のようなもの)が、何層にも重なってネットワークを形成しており、前の層から受け取った情報を次の層へとバケツリレーのように伝達していきます。
各ニューロンは、受け取った情報に「重み」という数値をかけて変換し、次の層に渡します。この「重み」が、ニューラルネットワークの「記憶」のようなもので、学習の過程で最適な値に調整されていきます。
この重みの調整を繰り返すことで、ニューラルネットワークは、文章のパターンを認識したり、次にくる言葉を予測したりする能力を獲得していくのです。
埋め込み表現の補足
生成AIは、「埋め込み表現」という技術を使って、単語や文節などの言葉の意味や文脈を、コンピューターが扱いやすい数値の集まり(ベクトル)に変換します。このベクトルを使うことで、言葉の意味や文脈を、AIが数値として理解できるようになるのです。
例えば、「猫」と「犬」は、どちらも動物という意味で似ていますよね。埋め込み表現では、これらの言葉は、意味空間の中で近い場所に配置されるようなベクトルで表現されます。
これにより、AIは、言葉の意味を考慮して文章を生成したり、言葉同士の関係性を理解したりすることができるようになるのです。
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