【プロンプト講座②】シンプルに頼む方法&お手本を見せる方法

AI

皆さん、こんにちは!「下町AI探究者」のガジュマロです。

googleさんの技術資料、「Prompt Engineering」の内容をかみ砕いてお伝えするプロンプト講座を、以下の内容でお伝えしています。
なお、ご自身の興味や優先順位で、下記リンクから他の記事に飛んでいただいて大丈夫です!

前回の【AIとのお付き合い入門】では、AIとの対話で「お願いの仕方(プロンプト)」がとても大事だということ、そしてAIがどうやって言葉を扱っているのか、その基本的な仕組みについてざっくりお話ししました。また、AIの答え方を調整する「ツマミ」の話も、少しだけご紹介しましたね。

第2回となる今回のテーマは、いよいよ具体的なプロンプトの基本パターンです。

基本のキ ~ シンプルに聞こう&お手本を示そう ~

AIに何かを頼むとき、大きく分けて2つのアプローチがあります。

  1. 思ったことを、まずはそのまま伝えてみる方法【ゼロショット】
  2. 「お手本」を見せて、具体的に頼む方法【ワンショット/フューショット】

この2つのパターンを知っておくだけでも、AIとのコミュニケーションがぐっとスムーズになるはずです。

それでは、一緒に見ていきましょう!

パターン1:思ったことを、まずはそのまま伝えてみる方法【ゼロショット】

AIと最初にチャットするとき、多くの方が自然とこの方法を使っているのではないでしょうか。特別な準備やお手本なしで、AIにやってほしいことをそのまま言葉にして伝えるやり方です。専門用語では「ゼロショット(Zero-shot)」なんて呼ばれたりします。「ショット」はここでは「お手本」くらいの意味で、「お手本ゼロ」というわけですね。

どんな風に使うの?

例えば、こんな感じです。

  • 要約をお願いする: 「このニュース記事の要点を3行でまとめて教えてください。」 「長いメールの内容を、簡単に説明して。」
  • アイデアを出してもらう: 「今日の夕飯の献立、冷蔵庫にある豚肉と玉ねぎで作れるものを3つ提案して。」 「新しい趣味を見つけたいんだけど、インドアで楽しめるものをいくつか教えて。」
  • 簡単な分類をしてもらう: 「このメールは『重要』『後で確認』『不要』のどれに分けたらいいかな?」 「この文章は、ポジティブな内容?ネガティブな内容?」

この方法の良いところ・ちょっと注意なところ

  • 良いところ: とにかく簡単で手軽! 思いついたことをそのまま聞いたり頼んだりできます。
  • ちょっと注意なところ: お願いが曖昧すぎると、AIが「えっと、どういうことだろう?」と意図を汲み取れなかったり、的外れな答えを返してきたりすることもあります。

前回お話ししたように、AIは私たちの心の中まですべてお見通し、というわけではありません。だから、あまりにもざっくりしたお願いだと、AIも困ってしまいます。こういう時は、何度かAIとやり取りを重ねて、こちらの意図を少しずつ伝えていくと良いでしょう。

パターン2:「お手本」を見せて、具体的に頼む【ワンショット/フューショット】

ゼロショットで試してみて、「うーん、ちょっと違うんだよなぁ」と感じた時や、答えの形式がある程度決まっている時に試してみたいのが、この方法です。

これは、AIに「こんな風にやってほしいんだよ」という具体的なお手本(例)を見せてあげるやり方です。お手本を1つ見せる場合を「ワンショット(One-shot)」2つ以上、いくつか見せる場合を「フューショット(Few-shot)」と呼びます。「お手本1個」「お手本いくつか」という感じですね。

なぜお手本が効くの?

私たち人間が頼まれて何かを作る時、「こんな感じで」とお手本や見本があると、頼んだ人の求めるもののイメージが分かって作りやすいですよね。AIもそれに似ていて、お手本を、予想を行うための参考資料とすることで「あ、こういう風に答えればいいんだな」「このパターンね!」と、最適な回答を予想しやすくなります。

どんな風に使うの?

例1:決まった形式で答えてほしい時(ワンショット) 例えば、質問に対して「〇〇です。」という形で答えてほしい時。

(あなた)質問:日本の首都は? 回答:東京です。

(あなた)質問:フランスの首都は? 回答:

(AI)パリです。

  •  最初に「質問:~ 回答:~です。」というお手本を1つ見せることで、AIは「なるほど、この形式で答えればいいんだな」と理解してくれます。

例2:特定のパターンやニュアンスを伝えたい時(フューショット) 例えば、文章を読んで、それに合った感想を言ってほしい時。

(あなた)文章:今日は素晴らしい天気ですね! 感想:絶好のお出かけ日和ですね!

(あなた)文章:なんだか雨が降りそうな雲行きだなぁ。 感想:傘を持って行った方が安心かもしれませんね。

(あなた)文章:明日は雪が降るかもしれないって。 感想:

(AI)暖かくして過ごした方が良さそうですね。

  •  いくつかお手本(文章と感想のペア)を見せることで、AIは「こういう文章には、こういう感じの感想を返せばいいんだな」というパターンを学習してくれます。

どんな時に使うと便利?

  • 決まったフォーマットで答えが欲しい時(箇条書き、表形式、特定の言い回しなど)
  • AIに特定のルールやパターンを覚えてほしい時
  • ゼロショットだと、うまく意図が伝わらない少し複雑なお願いの時
  • 翻訳で、特定の言葉遣い(丁寧語など)を指定したい時

お手本(例)を選ぶときのちょっとしたコツ

このお手本は、何でもいいわけではありません。より効果的にAIに学習してもらうために、いくつかコツがあります。

  • お願いしたいことと関連性の高いお手本を選ぶ: 関係ない例を見せると、AIの予想が関係のない方向に行ってしまう可能性があります。
  • 分かりやすく、質の良いお手本を選ぶ: お手本自体が間違っていたり、分かりにくかったりすると、AIもそのお手本を真似してしまうことがあります。
  • 色々なパターンのお手本を見せる(フューショットの場合): 例えば、感想が欲しいなら、「嬉しい」「心配」「提案」など、色々な種類の感想のパターンを見せた方が、AIが感想を返してくれる予想的中率が上がります。
  • お手本の数は?: フューショットの場合、一般的には3~5個くらいが目安と言われています。この数は、求める回答の難しさによって調整が必要です。多すぎると、今度はプロンプトが長くなりすぎてしまうこともあります。

「そのまま」と「お手本」、どう使い分ける?

では、ゼロショットとワンショット/フューショット、どっちを使えばいいのでしょうか。

おすすめは、まずは「ゼロショット」で気軽に試してみることです。それで十分良い答えが返ってくれば、それが一番簡単です。

もし、ゼロショットで「ちょっと違うな…」と思ったら、次に「ワンショット」や「フューショット」で、お手本を1つか2つ加えてみる。それでAIの答えがどう変わるか見てみる、という流れが良いかもしれません。

大切なのは、一発で完璧な答えを目指さないことです。AIとの対話は、少しずつ調整しながら、ちょうどいいプロンプトを構築していく、そんな試行錯誤のプロセスでもあるんですね。

まとめ:お願いの仕方は一つじゃない!

今回は、AIへのお願いの仕方の基本となる2つのパターン、「ゼロショット(そのまま頼む)」と「ワンショット/フューショット(お手本を見せる)」について見てきました。

  • ゼロショット: お願いだけをして、回答を貰う方法。手軽だけど、意図が伝わらないことがある。
  • ワンショット/フューショット: いくつかの手本を示して回答をもらう方法。少し手間はかかるけど、より正確に意図が伝わりやすい。特に決まった形式やパターンの回答をもらいたいときに有効。

次回予告

このように、プロンプトにはバリエーションがあり、状況に応じて使い分けることで、AIとのコミュニケーションがもっとスムーズで、実りあるものになる可能性があります。

また、最初から完璧なプロンプトを作ろうと思わず、まずは「こんな頼み方もあるんだな」と知って、色々試行錯誤するのが一番です!

さて、基本の頼み方が分かったところで、次回はさらに一歩進んで、AIに特定の「役割」を演じてもらったり、会話の「状況」や「ルール」を伝えたりする、もっと高度な(でも面白い!)お願いのコツを探っていきます。AIがまるでキャラクターを持ったかのように応答してくれるようになるかもしれませんよ。

ぜひ、次回の探求もお楽しみに!

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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