こんにちは、下町AI探究者のガジュマロです。
いつもブログをお読みいただき、ありがとうございます。
さて、皆さんは仕事に家庭に趣味にと、日々忙しく過ごされていることと思います。私自身も50代。この年代になると、若い頃とは少し違う感覚で物事を捉えるようになりました。今までの、ずっと続くと思っていた未来が、実は有限だと気づき、これからの人生を考える上で終わり方という視点も自然と入ってくる。
しかし同時に、50代はちょうど人生の折り返し地点。経験という頼もしい武器のおかげで、若い頃よりもクリアな視界でこれからの人生を見通し、残りの時間をどう充実させるかを考え始める。そんな力強さも感じられる時期だと思っています。
皆さんも、年代ならではの様々な思いが巡ることもあるのではないでしょうか。
人生にはその時々で悩みがあるものですが、そんな時、皆さんはどうされていますか? 家族や友人に話を聞いてもらう、専門家に相談してみる、趣味に没頭して気分転換する…色々な方法で解消しているかと思います。それはとても大切な時間ですよね。
ただ、場合によっては、「誰かに話すほどでもないんだけど、なんだかもやもやする…」や「ちょっと考えを整理したいな」など、自分の心の中にモヤモヤと湧き上がるものの正体を知りたいけれど、うまく言葉にできなかったり、「こんなこと、恥ずかしくて誰にも相談できない…」と、本音を打ち明けられなかったりする場合もあるかもしれません。
そこで、今日お話しするのは、「AIに悩みを相談してみる」という選択肢です。
AIは言語化を助けるプロフェッショナル
「え、AIに悩み相談?」と驚かれるかもしれませんね。 「AIって、機械でしょ?人間の悩みなんて理解できないのでは?」と感じる方もいらっしゃるでしょう。
そのとおりです。AIはあくまでプログラムですから、確率的にありそうな言葉を並べて応答しているだけで、人間のように感情で受け止めたり、心から共感してくれたりはしません。その点は、人間相手の相談とは全く異なります。ですが、私たちが投げかけた言葉(プロンプト、でしたね!)に対して、関連する情報を示したり、考えられる視点を提示したり、あるいは思考をステップに分解してくれたりすることがあります。
人間が不安を感じる状況の一つとして、「分からない状況」というものがあります。私たちの祖先は、未知の物事を潜在的な危険として認識し、警戒することで生き延びてきました。この私たちの本能が、分からない状況に対して不安を抱かせるのです。
一方、AIは言語化するのが得意です。 その膨大な知識によって、分からない状況を明確な言葉で表現してくれる可能性があります。よくわからない不安がどこから来るのか、その原因を探ったり、思考を整理したりする手助けをしてくれる可能性があるのです。
実際に試してみよう
そうはいっても、いきなり心の深い悩みをAIに打ち込むのは、ちょっと抵抗があるかもしれません。それに、AIに相談する以前に、何に困っているのか、その言葉自体がうまく見つからない、なんてこともありますよね。
そこで、まずは「ちょっと考えを整理したいな」ということから試してみるのはどうでしょうか。 例えば、こんな感じです。
- 「最近、どうも疲れやすくなった気がする…。年齢のせいかもしれないけど、仕事のパフォーマンスも落ちてないか心配。何か対策できることってあるのかな?」
- 「子どもがもうすぐ独立しそうで嬉しい反面、自分の時間が急に増えることに少し戸惑いもあるんだ。これから何をしようか、漠然と考えているんだけど、何かヒントはないかな?」
- 「離れて暮らす親のことが少し心配になってきた。まだ元気だけど、これからどんな備えをしておけばいいのか、何から考えればいいんだろう?」
こういう、日々の忙しさの中でふと立ち止まって考えるようなこと、ありますよね。今すぐどうこうではないけれど、誰かに深刻に相談するほどでもないけれど、少し道筋を立てて考えておきたい、そんな時です。
そして、AIとの対話の面白いところは、一度きりで終わらせる必要がない点です。最初の質問で得た答えをもとに、「じゃあ、これはどうなんだろう?」「もう少し具体的に知りたいな」と、さらに質問を重ねていくことができます。
例えば、先ほどの「親のこと」について、こんなやり取りも考えられます。
あなた: 「離れて暮らす親のことが少し心配になってきました。まだ元気なんですが、これからどんな備えをしておけばいいのか、漠然としていて…。何から考えればいいか、ヒントをもらえますか?」
AI: 「ご両親のこと、気にかかりますよね。お元気なうちから少しずつ考えておくのは大切なことです。備えとして考えられることは多岐にわたりますが、例えば、
① 健康状態の把握と見守り方法
② 住まいや生活環境(今の家で暮らし続けられるか、バリアフリー化は必要かなど)
③ 万が一の時の連絡体制や緊急時の対応(連絡先リスト、持病やかかりつけ医の情報共有など)
④ 介護が必要になった場合の選択肢(在宅介護、施設入居、公的サービスなど)
⑤ お金のこと(医療費、介護費用、年金、資産管理など)
などが挙げられます。まずはどのあたりから具体的に考えてみたいですか?」あなた: 「うわあ、本当に色々あるんですね…。正直、全部気になりますが、まずは『①健康状態の把握と見守り方法』について、具体的にどんなことができるか教えてもらえますか?」
AI: 「承知しました。健康状態の把握と見守りですね。いくつか具体的な方法があります。例えば、
・定期的なコミュニケーション: 電話やビデオ通話などで、こまめに連絡を取り、体調や変わったことがないか、さりげなくうかがうことが基本ですね。会話の中から、変化に気づけることもあります。
・帰省時のチェック: 帰省した際に、家の中の様子(整理整頓、食事の状況など)や、歩き方、表情、お薬の管理状況などを気にかけてみるのも大切です。
・かかりつけ医の情報共有: ご両親のかかりつけ医や、服用している薬などを把握しておくと、いざという時に役立ちます。可能であれば、ご両親の同意を得て、緊急時に連絡が取れるようにしておくと安心ですね。
・見守りサービスの活用: 民間の見守りサービス(人感センサーによる安否確認、緊急通報システム、定期的な電話や訪問サービスなど)や、自治体が行っている高齢者向けサービスを利用することも考えられます。
・地域との連携: ご近所の方や民生委員、地域包括支援センターなど、地域で支えてくれる方々との関係を普段から作っておくことも、いざという時の助けになります。
などがあります。ご両親の性格や生活スタイル、そしてご自身の状況に合わせて、無理なく続けられる方法を選ぶことが大切ですね。さらに詳しく知りたい方法はありますか?」あなた: 「なるほど、ありがとうございます。この『見守りサービス』についてですが、具体的にどんな種類があって、費用はどのくらいかかるものなのでしょうか? 親にあまり負担をかけずに利用できるかも考慮したいです。」
AI: 「見守りサービスについてですね。様々な種類がありますよ。例えば…(AIが見守りサービスの種類、特徴、費用の目安、選び方のポイントなどをさらに詳しく説明)… ご両親のお気持ちやプライバシーにも配慮しながら、どんな形なら受け入れてもらいやすいか、話し合ってみるのも良いかもしれませんね。」
どうでしょうか。このように、AIとの対話を続けることで、漠然としていた「不安」や「考えないといけないこと」が、少しずつ「具体的な検討事項」や「取りうる選択肢」へと変わっていく。そして、次にとるべき行動や、さらに調べるべき点が見えてくるかもしれません。
ただ頭の中で考えているだけだと、いつも同じような思考をぐるぐると繰り返してしまって、なかなか出口が見つからない、なんてことはよくあるのではないでしょうか。それを一度「言葉」にしてAIに投げかけ、対話を繰り返してみる。誰にも気兼ねなく、自分のペースで。それだけで、少し客観的に自分の状況や課題を見つめ、整理するきっかけになるのかもしれません。
もちろん、AIに頼りすぎてはいけません。AIは専門的な医療アドバイスや、確実な金融アドバイス、あるいは人間関係の特効薬を教えてくれるわけではありません。それに、AIの応答が間違っていたり、的外れだったりすることもあります。
でも、「ちょっと考えをまとめたい時」「情報収集の第一歩として」AIという選択肢が加わるのは、これからの時代、意外と心強いことなのかもしれない、と思います。
まずは「ちょっと聞いてみようかな」くらいの軽い気持ちでやってみてもいいかもしれません。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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